へっくん日記

勉強したことまとめます

細菌を分類してみよう

こんにちは。
薬学部6年分の教科書で犬小屋を作ろうかしらと考えてるへっくんです。
#無駄に買わせるのやめて

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細菌について授業で一通り学んだものの、あまりにも種類が多すぎました。結局なんも頭に残っとらんのです。なので、大事なところだけまとめます。

細菌の分類ですが、形と色で分けることができます。
形はわかりやすく、丸いか細長いかです。丸い菌を球菌、細長い菌を桿菌といいます。
色というのはグラム染色という染色法でついた色で分類します。青は陽性、赤は陰性といいます。赤は陰性、赤は陰性、、赤ワイン性ってことです。覚えやすいですね!

形と色の組み合わせで下図のように4種類に分類できます。

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この図でグラム染色で赤くなるものは、途中で脱色されていることにお気づきでしょうか。これは細菌の構造に違いがあるからです。
グラム陰性菌グラム陽性菌に比べて細胞壁が非常に薄いため、脱色されてしまうのです。

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また、グラム陰性菌には独自の外膜という構造を標準装備しています。この外膜が厄介で、薬を効きにくくしたり、免疫細胞を反応しにくくしたりします。また、外膜に含まれるリポ多糖という成分が人にとって毒になります。グラム陽性菌は外膜を持っていないため、毒素を吐き出すか、莢膜という人を害する膜を一番外側に纏うことで病原性を示します。
注)グラム陰性菌も毒素を産生したり、莢膜を身に纏います

日常の中で出会う頻度の高い順に並べると
グラム陽性球菌=グラム陰性桿菌>グラム陰性球菌=グラム陽性桿菌>その他の菌(グラム染色で染められないものや形が特徴的なもの)
となります。順番に説明します。

 

〜グラム陽性球菌〜
一列に連鎖状に並ぶ菌とブドウの房のように塊状になる菌に分類されます。
連鎖状は肺炎球菌、A群 B群レンサ球菌、腸球菌がいます。連鎖球菌属は血液を溶かす性質があります。A群 B群レンサ球菌は完全に溶かすβ溶血で、肺炎球菌は不完全に溶かすα溶血です。肺炎球菌は文字どおり肺炎の原因の第一位です。
ブドウ状はブドウ球菌です。血液を固める病原因子であるコアグラーゼを持つものを特に黄色ブドウ球菌といいます。メチシリンという抗菌薬が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)が問題になっています。

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〜グラム陰性桿菌〜
小桿菌、ブドウ糖発酵菌、ブドウ糖非発酵菌の3つに分けられます。ブドウ糖発酵菌とは、ブドウ糖を分解してエネルギーを取り出すときに酸素を必要としない菌で、ブドウ糖非発酵菌は酸素を必要とする菌(好気性菌)です。
小桿菌で最も頻度が高いのはインフルエンザ菌です。インフルエンザの原因はウイルスなので、ややこしいですがインフルエンザと関係ありません。b型の莢膜を纏った場合、非常に強力でHibと呼ばれます。Hibワクチンは定期接種になっているので聞いたことがあるのではないでしょうか。
ブドウ糖発酵菌は、腸内細菌科とそれ以外に分類されます。どちらも消化管感染症に関わること、生体内でも環境中でも増殖できることから院内感染しやすいことが重要です。
ブドウ糖非発酵菌は、緑膿菌アシネトバクターが代表です。環境菌で、酸素の少ない生体内では繁殖しにくいです。しかし、抗菌薬に耐性を示し、あまり栄養がなくても生息できることから、感染症が起こると治しにくいという厄介な菌です。

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〜グラム陰性球菌〜
性感染症の原因菌の淋菌、髄膜炎の原因菌の髄膜炎菌があります。非常にナイーブな菌で特別な培地でないとすぐに死滅してしまいます。

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〜グラム陽性桿菌〜
芽胞を形成するかどうかで分類されます。芽胞は最強の防御形態です。アルコール消毒が効かず、煮沸しても死にません。次亜塩素酸ナトリウムかオートクレーブ(高圧蒸気による滅菌)を用います。
芽胞形成菌は好気性のBacillus属と嫌気性のClostridium属です。どちらも強力な毒素により病原性を示します。抗菌薬の投与により常在細菌叢が障害され、抗菌薬に耐性のあるものが異常に増殖することで発症します。
芽胞非形成菌は2類感染症ジフテリアと食中毒、髄膜炎の原因菌のリステリアがあります。

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〜その他の菌〜

・嫌気性菌
 酸素が苦手
 口腔内常在菌、腸内常在菌

・抗酸菌
 グラム染色で染まりにくい
 結核菌、MAC、らい菌

・放線菌
 菌糸状の発育をする

・スピリルム
 形態が螺旋状
 Helicobacter  pylori(胃潰瘍の原因)

スピロヘータ
 スピリルムより螺旋が長い
 Treponema pallidum(梅毒の原因)

・非定型菌
 細胞内増殖菌、βラクタム系薬無効、グラム染色できない
 肺炎マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジア、リケッチアなど

 

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ほんとに概要だけになってしまいました。
また勉強したら書き足そうと思います。

次は抗菌薬をまとめてみます。

またね