病態生化学_腎機能検査
こんにちは。
がんばったらご褒美にスイーツを買うのですが、最近はスイーツ食べたさにがんばった基準がどんどん下がっている気がするへっくんこと「ドーパミンに溺れた男」です。
さて、今日は腎機能検査を見ていきます。
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▼今回のゴール
腎機能検査の指標を理解する
・血中尿素窒素(BUN)
・血清クレアチニン(Cr)
・シスタチンC(Cys-C)
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▼血中尿素窒素(BUN)
血中尿素窒素とは、血液の中の尿素に含まれる窒素成分のことです。
腎臓で濾過され尿中に排泄されますが、腎機能低下時は濾過できない分が血液に残り、値が高くなります。
尿素の産生
タンパク質分解→アミノ酸→アンモニア→尿素(肝臓)
低値のとき
・肝不全→尿素の生成が低下するため
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▼血清クレアチニン(Cr)
クレアチニンとは筋肉のエネルギー源の代謝産物です。
そのため、クレアチニン量は筋肉量に依存し、基準値が男性の方が高くなっています。
老廃物なので、腎糸球体で濾過され、尿細管からもほとんど再吸収されません。
そのため糸球体濾過能の指標になります。
高値のとき
・腎前性因子
脱水や心不全などの循環血液量低下で、濾過の対象になるクレアチニン量が少ない
・腎性因子
糸球体腎炎、腎不全
・腎後性因子
尿管閉塞、前立腺肥大で糸球体濾過圧低下
❇︎ボーマンのう内圧が上がり、濾過されなくなる
糸球体濾過圧=糸球体血圧ー(血漿浸透圧+ボーマンのう内圧)
低値のとき
・筋肉量の低下(筋ジストロフィー)
・循環血液増加(妊娠中、糖尿病腎症初期)
クリアランス
ある尿中排泄物が1分間に除去された血液量
クレアチニンクリアランスの減少は、ネフロンの減少と比例するため腎機能検査に頻繁に用いられます。
▼推算糸球体濾過量(eGFR)
Cr、性別及び年齢から算出される腎機能の指標
Crの筋肉の影響を少なくしている!
慢性腎臓病(CKD)の指標になります。
CKD
①タンパク尿など腎障害が明らか
②GFR<60
①②のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続
腎不全や心臓血管病を引き起こす恐れがあります。
また、生活習慣病と併発すると脳卒中や心筋梗塞のリスクが非常に高まります。
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▼シスタチンC(Cys-C)
シスタチンCは糸球体で濾過されます。
濾過後、99%以上が近位尿細管から再吸収されますが、アミノ酸に分解されるため血中には戻りません。
このため、シスタチンCの血中濃度は糸球体濾過量に依存しています。
クレアチニンは尿細管に一部分泌されるため、腎機能低下が相当進行しないと上昇が認められない問題点がありますが、シスタチンCでは早期に発見することができます。
しかし、シスタチンCは腎機能がかなり落ちた状態では上昇しにくく、末期腎不全の評価には向きません。
クレアチニンとシスタチンCをうまく使い分けたいですね。
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▼まとめ
<血中尿素窒素(BUN)>
高値のとき
・腎機能障害
・アミノ酸代謝亢進
低値のとき
・肝不全
<血清クレアチニン(Cr)>
筋肉量に依存
再吸収受けない
Ccr、eGFRとして評価
末期腎不全の評価に向く
<シスタチンC(Cys-C)>
再吸収、異化を受ける
早期腎不全の評価に向く