へっくん日記

勉強したことまとめます

抗菌薬③タンパク質合成阻害薬

こんにちは。
春休み中のお土産だけでしばらく食っていけそうなへっくんです。
#思い出は重いで

さて、今日はタンパク質合成阻害薬を見ていきます。
殺菌的なアミノグリコシド系、静菌的なマクロライド系、テトラサイクリン系があります。

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〜アミノグリコシド系〜

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特徴として、タンパク質合成阻害薬の中で唯一殺菌的なこと、バイオアベイラビリティ不良のため内服不能なこと、細胞内移行性不良のため細胞内増殖菌に無効なこと、活性に酸素が必要なため嫌気性菌にも無効なことが挙げられます。
また、薬剤によって特有のスペクトルをもち、Ⅰ〜Ⅴ群に分けられます。臨床的にはⅠ、Ⅲ、Ⅴが重要です。Ⅰ群は結核、Ⅲ群は緑膿菌、Ⅴ群はMRSAに用いられます。かなり専門家の集団ですね。副作用として第8脳神経障害(内耳障害)、腎障害があります。


マクロライド系〜

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特徴として、静菌的なこと、バイオアベイラビリティ良好なため内服可能なこと、細胞内移行性良好なため細胞内増殖菌にも有効なことが挙げられます。
主な使用用途は、肺炎マイコプラズマ、レジオネラ、MAC、Campylobacter jejuni/coli、Helicobacter pylori、びまん性汎細気管支炎(DPB)です。
マクロライド系薬は複数ありますが、一般的に使用されるのは14員環のエリスロマイシン、クラリスロマイシン、15員環のアジスロマイシンの3つです。副作用は比較的少ないですが、肝障害、消化器症状があります。


〜テトラサイクリン系〜

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特徴として、静菌的なこと、バイオアベイラビリティも細胞内移行性も良好なことがあります。ただし、副作用が大きいことから一般的な感染症治療の第一選択になりにくいです。リケッチアに対しては第一選択です。

副作用の原因となるのが、この薬にキレート作用があり、カルシウムを含む組織に沈着しやすいことです。このため、小児の歯牙異常を起こす恐れがあります。また、カルシウムを含む牛乳などと一緒に内服すると難吸収性の錯体となり効果が弱まります。
他にも光で分解されやすい性質から光線過敏の原因となったり、低pHに調整されていることから空腹時に内服すると胃腸障害をきたすことがあったりします。たしかに使いにくいですね。

 

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タンパク質合成阻害薬は種類が多いですが、
〜マイシン→アミノグリコシド系、〜スロマイシン→マクロライド系、〜サイクリン→テトラサイクリン系
と法則はあるので頑張って覚えます。

次回は抗MRSA薬、抗結核薬を見ていきます。

またね